知っていますか?かごしまの海・魚の魅力

鹿児島県は海と魚の魅力があふれる水産県です。
全国で上位を占めるものもたくさんあります。そんなトピックを少しご紹介します。

日本トップクラスの漁獲量!

鹿児島県海面漁業 魚種別漁獲量ランキング
(出典:農林水産省「平成24年漁業・養殖業生産統計」)
  1. 全国1位

    ミナミマグロ

  2. 全国2位

    キハダ・カジキ類

  3. 全国3位

    メバチ

  4. 全国5位

    ビンナガ・イセエビ・ウニ類

養殖生産量もトップクラス!

鹿児島県養殖業 魚種別生産量ランキング
(出典:農林水産省「平成24年漁業・養殖業生産統計」)
  1. 全国1位

    ブリ・カンパチ・クロマグロ・ウナギ

  2. 全国2位

    ヒラメ・クルマエビ・モズク

鰹節生産量は日本一!

鰹節生産量 22,887トン
国内生産量の7割を占めます
(出典:農林水産省「平成24年水産加工統計調査」)

天皇杯受賞!

「旅する丸干し(南イタリア風)」を出品した(株)下園薩男商店が平成26年度(第53回)農林水産祭で「天皇杯」を受賞!「旅する丸干し」は伝統的なウルメイワシの丸干しを洋風でモダンなオイル漬けにした製品です。

天皇杯受賞!

「旅する丸干し(南イタリア風)」を出品した(株)下園薩男商店が平成26年度(第53回)農林水産祭で「天皇杯」を受賞!「旅する丸干し」は伝統的なウルメイワシの丸干しを洋風でモダンなオイル漬けにした製品です。

かごしまの海の景

南北約600kmに及ぶ鹿児島県。
その海辺や漁港には多彩な表情があります。

阿久根(あくね)

海の蒼と夕陽の赤。東シナ海の魅力と味力を凝縮。

貿易と漁業、町を支えた港力。

鹿児島県の北西部、東シナ海に面した40㎞もの海岸線、荒波が逆巻く中にそびえ立つ大小の岩礁。町の名の由来となった「英袮(あくね)」は、古代語で「アク=魚」「ネ=岩礁」を意味する古くからの港町。江戸時代になると中国との貿易港としても栄えるなど進取の気性が息づく町だ。漁港は、鯵(あじ)や鰯(いわし)、鯖(さば)など、主に近海物の青魚の水揚げで賑わいを見せる。春先からのキビナゴ、春の真鯛、冬場の平目(ひらめ)、他にも烏賊(いか)や海老(えび)、蛸(たこ)など、魚介類の豊富さが阿久根の自慢。海の幸を生かした加工品作りにも積極的に取り組んでいる。

日本人の食卓に新しい波を。

毎朝、新鮮な魚が手に入る阿久根では、昔から塩干魚作りも盛ん。獲れたての魚を手早くさばき、塩を振ったり秘伝のタレに漬け込み乾燥させる、シンプルな製法だけに奥が深い。特に青魚は脂ののりに合わせて乾燥時間を微調整しなければならない。味付けにも各店ごとの技が冴える。伝統的な干物に加え、パスタなど洋風化する食卓にあわせた新スタイルの塩干魚も作られている。

串木野(くしきの)

深く、濃く、旨い海。海の恵みと浜の技が、美味しく競い合う。

まぐろの町の復活を目指して。

海岸線にいくつもの港がつらなる串木野は、東シナ海の玄関口と呼ばれている。古来より海の道を介して海外の文物を受け入れ、ロマンを求めて波を越えてゆく人たちを見送ってきた町だ。かつて薩摩藩が英国に送った若き留学生たちも、この串木野の港から旅立っていった。時代が昭和へと移ると、まぐろの町としてその名を馳せる。沿岸から沖合へ、遠洋へと、多くのまぐろ漁船を送り出し、やがて日本の遠洋まぐろ漁業の一大基地となった。現在、高級南まぐろの漁獲量は、鹿児島県が日本一である。

今も挑み続ける、串木野の海の男たち。

船一杯にまぐろを積み、大漁旗を掲げて帰港するその日まで、一年以上もの間、まぐろを追いかけ、世界の海を旅する遠洋まぐろ漁業。串木野の港は、海の男のチャレンジ精神にあふれている。ご当地ラーメンの雄としてその名を知られるまぐろラーメンも、スタートは地元有志による小さなプロジェクトだった。 まぐろを使った新しい加工品に挑む男、まぐろ料理専門店を立ち上げる男… まぐろの町復活は近い。

枕崎・山川(まくらざき・やまがわ)

薩摩半島の南端は、節文化の発信地。

日本料理を支える、ふたつの港町。

なんと日本の鰹節の70%は、枕崎とその隣町の山川で製造されている。鰹節の歴史は古く、古事記に登場するかつおの天日干し「堅魚」がそのルーツだ。出汁として使われるようになったのは、戦国時代から江戸時代の初期にかけて。その後、煙で燻して乾燥させる「燻乾法」が開発され、千葉、静岡、和歌山、高知など、太平洋側のかつおが獲れる港町で名品と呼ばれる鰹節が誕生している。この技術が鹿児島に伝わったのは約三百年前。鰹節作りに最適な程よく脂の落ちたかつおが獲れることから、鰹節の最大産地となった。

世界に誇る出汁文化を発信。

鰹節作りが始まった鹿児島では、江戸時代より職人の育成と規模の拡大に力が注がれた。他産地から技術者を招いたり、独自の製法を開発するなど産地力に磨きをかける。現在では、「荒節」「本枯節」はもちろん、三百年に及ぶ伝統製法をベースに、かつお以外の様々な「節」も製造される。また、かつおの町ならではの、刺身やタタキ、腹皮など、かつお加工品の開発・生産も盛んである。

錦江湾(きんこうわん)

蒼く透明に光る海。鹿児島の海はひとつじゃない。

鹿児島の朝は、ここから始まる。

薩摩、大隅二つの半島に抱かれた波静かな錦江湾。温暖な気候に恵まれた内海ながら、絶えず黒潮が流れ込んでくる環境は、桜島を囲む天然の養殖場ともいえる。鹿児島市中央卸売市場には、巨大なまぐろをはじめ、かつおやぶり、鰯(いわし)や鯵(あじ)、鯛や平目(ひらめ)、海老(えび)や蟹(かに)など、ありとあらゆる海の幸が並ぶ。朝六時、セリの開始を待ちわびていたかのように、場内のあちらこちらで、威勢のいい声と「ガランガラン」という鐘の音が鳴り響く。美味しさや新鮮さにこだわる魚の目利きたちによる真剣勝負の場は、私たちの食卓に直結している。

桜島に抱かれて美味しくなった。

鹿児島市から桜島を挟んで対岸にある海潟漁港の周辺は、鹿児島カンパチの養殖場の一つ。漁港では、毎朝、海上のイケスから水揚げされたカンパチが、活け締めにされ、独自の方法で血抜きが施される。県外出荷の一部は、水槽付きのトラックで生きたまま輸送される。鮮度が命、すべてのスタッフの役割が明確に決まっていて、小気味よいリズムとスピードで作業が進んでゆく。

かごしまの海の恵

黒潮と対馬海流の二つの暖流を漁場に持つ鹿児島県。
多種多様な海の幸に恵まれ、それらを使った美味しい加工品もたくさんあります。

きびなご

白銀の帯を輝かせながら泳ぐ海の宝石。

新鮮なキビナゴを素早く手開きにして、美しい器に菊の花を模して盛りつける。キビナゴの刺身は、鹿児島を代表する郷土料理。からし酢みそで食べるのが薩摩流。全長10㎝ほどの小魚なので、さばく時は手早く、体温が移らないように手を水にさらしながら調理する。盛りつけにも手がかかるが、そのひと手間がおもてなしの極意だ。淡白な味わいは、塩焼きや揚げ物、煮つけなど料理法を選ばない。お土産に最適な加工品も色々ある。

かんぱち

引き締まった身とクセのない旨味が魅力。

顔の正面に漢字の八の字に見える線があることから「勘八(カンパチ)」の名がついた。鹿児島では平成2年頃から養殖が始まり、年々技術力を高めながら、現在では養殖生産量日本一となっている。錦江湾が主要な産地で、平均水深120m、平均水温22度という理想的な養殖環境で、品質管理を徹底した生産が行われている。また、餌にお茶を混ぜるなどの工夫もされている。歯ごたえの良さと程良い脂のりが好まれており、カルパッチョ、炙りカンパチなどは、子どもたちにも人気だ。

まぐろ

旨味はたっぷり、脂はしっかり。

日本人にとって、まぐろは思い入れのあるハレの食材、刺身の盛り合わせやお寿司には欠かすことのできない魚だ。かつて、遠洋まぐろ延縄漁の基地として栄えた鹿児島は、温暖な気候を利用して養殖黒まぐろの生産量も日本一を誇っている。黒まぐろや南まぐろの美味しさは別格、大トロ、中トロ、赤味のセットを提供する専門飲食店もあり、まぐろ好きにはたまらない一皿だ。カマや内蔵、目玉のほか、まぐろ饅、ぎょうざ、生ハムなどの加工品も多い。

ぶり

養殖生産量日本一!世界が認めた鹿児島のぶり。

多くの入り江や湾を持つ鹿児島では、昭和33年に試験養殖が始まって以来、各地でぶりの養殖に取り組み、現在、四産地のぶりが「かごしまのさかな」ブランドとして認定を受けている。県内で獲れるぶりの稚魚(モジャコ)を、海のイケスで一~三年間、大切に育てる。天然ぶりの旬は脂がのってくる冬場だが、鹿児島の養殖ぶりは環境や餌料を管理することで通年出荷を行っている。クセがなく旨味のある脂がのっていることから、国内はもちろんアメリカやEU諸国へも輸出されている。

かつお

薩摩のかつおは、鰹節だけじゃない。

鯖(さば)の仲間であるかつおは本来、足の早い、傷みやすい魚だ。そのため鰹節生産が発展したが、冷凍技術や流通システムが向上した現代では、通年を通して、旨いかつおを味わうことができる。特に船上で活け締め後、急速冷凍したかつおは絶品だ。刺身やたたき以外にも、腹皮や酒盗(内蔵の塩辛)、かつお味噌や角煮など、かつおを使った加工食品も鹿児島ならではの味だ。また、枕崎では「かつおのビンタ(頭)料理」で転入教職員を歓迎するのが恒例だ。

鰹節

三百年の伝統を持つ、本場・薩摩の「鰹節」。

全国の約七割を生産する鹿児島の鰹節には、三枚又は五枚におろしたかつおを釜で茹で、薪の煙で二~三週間燻す「荒節」と、荒節へのカビ付けと乾燥を繰り返した「本枯節」がある。荒節はいわゆる花鰹(鰹削り節)の原料。本枯節は半年から一年をかけて、カビの力でタンパク質をアミノ酸に変えてゆき、旨味成分を凝縮させたもの。本枯節の出汁の上品な旨さは絶品だが、産地の工夫により手軽に使えるスライスやパウダー、出汁パックなども、本枯節に引けをとらないものとなっている。

さつま揚げ

進化を続ける、さつまの「つけあげ」。

地元で水揚げされた魚をすり身にして、地酒や砂糖、醤油で味を調え、植物油でじっくりと揚げる。「さつま揚げ」は、地元では「つけあげ」と呼ばれ、祝いの席にかかせない郷土料理だ。エソ、グチ、鯵(あじ)、飛び魚、鰯(いわし)など、旬の地魚を使うので、地域やお店ごとに個性的な味や食感が楽しめる。近年では、大葉や玉葱、チーズなどを入れたものなど「変わり揚げ」の人気も高い。また砂糖が高級品だった頃の名残か、地元では甘いさつま揚げが好まれる。

鯵・鯖・鰯

鮮魚のプロは干物の目利き。

丹念に仕上げられた干物は、朝食のおかず、晩酌の肴に最適だ。干し時間を長くした上乾と呼ばれる「丸干し」から、潮風をあてながら天日干で軽く水分を抜いたものは「若干し」、「一夜干し」など、様々なタイプがある。干物には、鯵(あじ)、鯖(さば)、鰯(いわし)など、いわゆる青魚が使われるが、脂がのりすぎたものは、水分が抜けにくく身崩れもしやすい。温暖な鹿児島の海で育った青魚は、脂が少なく干物の原料としては一級品として知られている。

しらす

ふっわふわの釜揚げしらすは潮風の味。

「しらす」は、鰯(いわし)(主にカタクチイワシ)の稚魚を釜茹でしたもの、または釜茹で後に軽く乾燥したものだ。さらに乾燥させて水分を抜けば「ちりめん」になる。薩摩半島と大隅半島の二大産地を持ち水揚高で常時全国トップ10に入る鹿児島のしらすは、市場の評価も高い。ふんわりとした食感が魅力の釜揚げしらすは絶品。佃煮やふりかけの他、薄焼きにしたりと、しらすを使った新しい商品も誕生している。

うに

北のウニに負けない南のウニ。

小ぶりながらも上品な甘味と旨味で人気の「紫うに」は、うに獲り名人と呼ばれる漁師が素潜りで獲る。瓶詰めの「粒うに」のほか、加工方法を工夫したことで、どこにいても浜の味を楽しむことができるようになった。

くじら

鹿児島には昔、捕鯨の基地がありました。

くじらの味を知らない世代も多くなってきたが、鹿児島の正月には、今でもおばいけ(尾羽毛)が登場することもある。他にベーコン・塩漬けもあるが、生姜やにんにく醤油で食べる刺身は、くじらの赤身の濃厚な旨味を堪能できる。

飛び魚

水面を滑空する、その姿はまるでグライダー。

羽根状の胸ビレを持つ飛び魚は、脂の少ない淡白な魚。引き締まった肉質はすり身団子やさつま揚げにしても旨い。飛び魚を乾燥させた物は「アゴ」と呼ばれ、九州ではポピュラーな出汁素材。鹿児島では屋久島が代表的な産地だ。

車海老

姿のイセエビ、味のクルマエビ。

刺身、天婦羅、塩焼き、どんなレシピで食べても、プリプリの食感と凝縮された甘味が楽しめる、鹿児島産の養殖車海老。鹿児島の雑煮は、焼車海老(えび)(吊し海老(えび))で出汁を取るのが正調とされる。

うなぎ

夏バテ予防に効果的だが、冬も美味しい。

鹿児島は、温暖な気候と豊富な地下水に恵まれ、加えてシラスウナギが獲れることから、養殖うなぎの生産量全国一位。県内の養鰻池では、水温・水質に気を配り、餌の量を調節しながら、天然のうなぎの稚魚を一年以上の時間をかけて育てている。